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『出口王仁三郎全集』全8巻は昭和9年5月6日、東京の萬有社から出版された、天声社の創業者・出口王仁三郎大本教祖の初の全集です。当時、下中弥三郎(平凡社創業者)が企画し、大本教団にその出版を懇請、昭和10年12月までに全巻が完結(第5巻以降は天声社刊)。広く一般に頒布されました。しかし全巻完結後まもなく、近代史上類例のない大宗教弾圧・第2次大本事件が勃発し、教典等多くの出版物が押収、焼却処分されました。
昭和21年、大本は10年にわたる弾圧から青天白日の教団にかえり、最発足を果たしましたが、事件前に出版された大本書籍の多くは失われました。そのためにこの全集も、今日では一部の原本を残すのみとなっていました。しかし王仁三郎の論説・随筆等が多数収録されている内容から、再刊を願う教団内外からの要望は強く、今回はその要望にこたえる形で復刻刊行することにいたしました。とりわけ平成10年は、王仁三郎昇天(昭和23年)から50年を迎えたため、記念出版としました。
巨人と称され、聖人とたたえられつつも、凡俗の風格をもあわせもった王仁三郎は、「人類万類救済」の大道を実践した大人格者でした。こうした王仁三郎の全貌を正しく理解することは、けっして容易なことではありません。また残した膨大な著述の文言には、多数の含蓄があります。昇天後半世紀を経てもなお「出口王仁三郎」を扱った一般書籍はあとをたちませんが、必ずしもすべてが的を得た記述とはいえないのも、そのあたりに一因があると思われます。むしろ、今日の興味本位なオカルトブームは、王仁三郎の有した霊的能力にのみ感心を集め、皮相な理解が進められていることを遺憾とするものです。
政治、経済、宗教、文化、教育・・・・あらゆる分野が行きづまり、世紀末的な様相を呈する現代にあって、世の指針となる内容の本質を、この著述からくみとっていただくことを心より願うものです。
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